天気の良い日曜日、夫や子供たちと一緒に近所を散歩しました。
花がいっせいに咲き誇る季節が、今年もめぐってきました。
子供の成長は、早いです。
今の姿を目に焼き付けておきたいと改めて思った、小さなできごとがありました。
子育てはつらいことも多いし、自分の時間が欲しいこともしょっちゅう。
思い通りに動いてくれない子供たちにイライラし、怒ってしまうたびに反省する日々。
天気のいい日に、少し外に出て歩きましょう。
気分転換して「いまここにあるもの」に目を向けられるといいですね。
黄色いタンポポを、頬を膨らませて「ふ~っ」と吹こうとする息子
夫は娘(5歳)と、私は息子(3歳)と手をつないで散歩していた時のこと。
息子は道ばたに咲くタンポポを発見。
ブチっとむしり取り、
「ママ~、写真撮って~」
と差し出してきました。
息子がタンポポを握ると、ずいぶん大きく見えます。
しばらくクルクルとタンポポを回していたかと思ったら、
何を思ったのか「ふ~っ!ふ~っ!」と息を吹きかけ始めました。
ほっぺたをパンパンに膨らませながら。
何してるの?と息子に尋ねると、一言。
「とばない」
娘が半年ほど前に、タンポポの綿毛を吹いて飛ばしていたのを覚えていたらしい息子。
黄色い花のタンポポは、息を吹きかけても飛ばないのだと、いま知ったようです。
懸命にタンポポを吹こうとして、丸くぷっくり膨らんだほっぺたを見て、思わず笑いそうになりました。
そして、ふと気づきます。
半年前にはタンポポの綿毛を夢中で吹いていた娘が、今はあまりタンポポに興味を示さなくなっていることに。
一緒に歩くたび、タンポポの綿毛や猫じゃらしに引きとめられ、なかなか進まずイライラした気持ち。
でも、今はてくてく歩けるようになった娘。
スムーズに進むのは嬉しいけれど、
タンポポに夢中だった娘は、
もう見られなくなりました。
今は息子がタンポポに夢中。
けれど、娘と同じで、これは期間限定の姿。
今だけ見られる姿です。
数年後にはきっと、子供たちはタンポポを摘まなくなる
「タンポポ飾って~」という息子。
「茎を長めに摘むといいよ~」と娘に教えたのは、いつのことだったか。
息子にはまだ教えていなかったせいか、タンポポの茎が短め。
ちょうどいいサイズの入れ物が見つからず、入れ物探しが難航。
四苦八苦しながらも、小さなお皿に飾ることに。
先日摘んだキャットミントと並べて、洗面所に飾りました。
飾られたタンポポを見て、息子はどことなく得意顔でした。
子供に小さな花を渡されて、「飾って」と頼まれるのは、あと何年でしょう。
そういえば、娘も去年までは「玄関に飾るの!」と言って、タンポポを摘んでいましたっけ。
今はタンポポを摘まない娘を見て、
今、タンポポを摘む息子を見て、
過ぎてしまった時間に切なさを覚えました。
あれはなんと貴重な時間だったのでしょう。
たくさんイライラして、
- 早く子供たちが大人になってほしい
- 子育てから解放されたい
と何度も思った自分も確かにいました。
当時は、それが精一杯だったのだと思います。
少し成長した子供たちと過ごしている今だからこそ、いまここにある子供たちの姿が貴重なものだと思えるようになったのでしょう。
タンポポを摘むのは、いつまででしょうか。
きっと気がついた時には、タンポポを摘まなくなっているのです。
今の姿を、しっかり目に焼き付けておこう。
タンポポの綿毛のように、いつかやってくる旅立ちのとき
タンポポの花言葉の中には「別離」というものもあるのだそうです。
綿毛が飛んでいく様子から連想されたものなのでしょう。
子供たちも、タンポポの綿毛のように、いつか巣立つ日がやってくるでしょう。
そして、どこかに根を下ろし、また花を咲かせてゆくのでしょう。
きっと、あっという間です。
あと何回、手をつないで一緒に花を見られるのでしょうか。
タンポポを見て、いつかきっと娘と息子との日々を懐かしく思い出す日がやってくるのかもしれません。
そんなことを考えた日曜日でした。
まとめ
丸いほっぺをぷっくり膨らませて、黄色いタンポポを吹く息子の姿を見て
いまここにある姿の貴重さに気づきました。
子供の成長は早いです。
いつかタンポポの綿毛のように、どこかに巣立つ日が来ることでしょう。
いそがしく時間に追われがちで、穏やかな気持ちばかりではいられませんが、
子供たちの今の姿を目に焼き付けておこうと思った出来事でした。
へばの~
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